日本地域産業総合研究所は第一次産業や第六次産業を支援しています。そしてその需要を生み出す飲食業界の活性化にも取り組んでいます。
>>日本地域産業総合研究所 飲食店開業/運営支援プログラム
日本地域産業総合研究所 飲食店開業/運営支援プログラムのコンサルタントが長年の経験から「飲食店を開業すべき人、開業しても大丈夫な人、ダメな人」を分析しています。
飲食店を開業すべき人
定年退職して間もない人
もしあなたが退職したばかりでフードビジネスに興味があるのであれば、飲食店を開業すべきです。
ご存知のとおり定年退職すると老け込む人が少なくありません。老け込むだけならいいのですが、認知症になったり突然病に倒れる人もあるようです。その他にも精神的にも所属や肩書がないことに不安を抱く方も多いと聞いています。やはり人間には適度な緊張感が常に必要なのです。
また年金の支給開始が後ろ倒しになり、年金制度の将来性自体が危ぶまれています。また国債残高は増え続け、ハイパーインフレのリスクもあります。そんな時代にはストック(貯金)よりも事業を始めて少ないながらもフロー(収入)があるほうが安心です。
※ただしあらかじめ撤退条件を定めておきましょう。長く赤字が続くようであれば雇われて収入を得たほうが良いでしょう。
身体的・精神的理由と経済的理由の3点から強く開業をお勧めします。ただあくまでもフードビジネスに興味があって、ご自身でも店に立たれるという前提です。(できれば人は雇わずに開業されるのが良いでしょう。大事な老後の資金を無駄使いするわけにはいきません。)
老け込まないでいきいきと暮らせるように開業すべきなのですがやはり無理は禁物です。張り合いを持ちつつ、マイペースで運営できる業態や運営方法をご提案させていただきます。
飲食店を開業しても大丈夫な人
別収入がある人
飲食業界はコモディティ化が激しい業界です。開業にはそれなりのリスクへの覚悟が不可欠です。ただ製造業などに比べれば設備投資も少なく、資金の回収がたやすく、個人が起業しやすい業界です。リスクヘッジをした上で投資として開業するのは一つの手でしょう。
飲食店を開業してはダメな人
学生
いちどは就職することをお勧めします。可能であればあるていど社会人としての基礎は身につけておくべきです。そして時間が経っても飲食店を経営する夢を持ち続けられていれば、起業・開業したほうが良いでしょう。
飲食業は接客のウェイトも高く人間力が問われます。学生や若手社会人のみを相手に商売をするのであればさほど問題はないでしょう。しかし社会経験が豊かな大人を相手に商売するのであれば、やはり会社勤めの経験があったほうが接客もしやすいでしょう。
飲食店経営では仕入先や金融機関との交渉も必要です。それも会社勤めの経験があるほうが交渉しやすくなります。商談というのは会社で実際に訓練するほうが簡単に身に付きます。開業するのは基本的な素養が身についてからでも遅くはありません。
また開業して順調に業績が伸びれば、やがて人を雇用して商売をすることになります。その段階では組織の回し方やさまざまな経営実務などの知識や経験が必要とされます。そうした時に会社で働いていた経験と無意識に学んだ知識は非常に役に立つはずです。
それに学生が訪れることができる店と社会人が入れる店は全く違います。飲食店を経営するのに数多くある競合店や参考になるであろう店舗を知らないのは不利です。その意味でも一度社会人を経験すると接待や付き合いで幅広い飲食店や業態を経験できます。
資金を貯める上でもいちど就職したほうが確実でしょう。会社員として将来飲食店経営にも役に立つ経験や知識を得ながら資金を貯めることができるのです。一石二鳥というものです。
え?就職したくないから飲食で起業する?そんな認識で飲食業界に入ったら間違いなく失敗します。一生会社にしがみつくことをお勧めします。
資金の少ない人
焦らずにまずはお金を貯めましょう。ちなみに飲食店を開業するという目標を決めて、ほぼ計画通りにお金を貯められた人は基本的に開業しても大丈夫な人です。
逆にさしたる理由もなく計画を大幅に下回る貯金しかできなかった人は、絶対開業してはダメな人です。
経済観念がない人
飲食店に限らず起業そのものをお勧めしません。売上を上げるのは本当に大変です。利益を出すには経費を削減するほうが簡単です。経費が1円であっても、それを得るために必要な売上は10倍だとかとても大きな数字になります。
事業はまさに「1円を笑うものは1円に泣く」世界です。地道なコストカットの上に利益が出てくるのです。
住宅ローンを抱えている人
住宅ローンを組めるということはかなりの確率で会社員であるはずです。会社をやめて開業することは、収入と貯金だけではなく、家もそして下手をすると家族も失うことになります。
また融資実行時に団体信用生命保険に加入しているはずです。債務者が死亡すると残債が生命保険で補填される仕組みです。そこでローンを返せなくなると、家族に家だけでも残そうと自殺する人もいます。つまり開業したことであなたの生命すら失うことになりかねないのです。
少し脅しすぎかもしれませんが、本当に開業したいならローンを完済してからにすることをお勧めします。
料理が苦手な人、嫌いな人
料理ができない人がなぜ飲食店を開業しようとするのか理解に苦しみます。でも結構いるのです。やはり飲食店は製造業に比べると設備投資も少なく、資金回収も楽で、小売業よりは利益率もよいことが理由でしょう。
起業する上でのリスクは人を雇うことと、場所を借りることです。ランニングで固定費としてのしかかってくるからです。あなたが料理をしないことでホールよりも給料が高いであろうキッチンのスタッフを余分に雇うことになるのです。また飲食業にとってキッチンがコア技術です。それを理解しないオーナーには従業員はついてきません。
コンピューターが苦手な人
現代においてコンピューターが使えない人は基本的に会計や企画書を書くという作業ができないか相当苦手意識を持つ人です。そういう人は飲食で仕事をしたいなら、雇われて店長や料理人をしていたほうが安心です。
会計や企画ができないということは経理も放漫、事業計画書を書けないので資金調達もできません。そして店のコンセプトや立地の選定、メニュー開発も不完全になります。こうなると開業も危ぶまれますが、なんとか開業できたとしても売上は伸びません。飲食業界はそんなに甘いところではないのです。
それにコンピューターが使えると、外注経費を減らすことができます。チラシやメニュー、ショップカードの作成、ブログなどを使った宣伝…。そういったことがパソコン1台と(印刷は出力センターのほうがいいとは思いますが)プリンタでできます。それができない人は無駄な外注費を垂れ流すことになります。それはやはり立ち上げ段階では極めて不利になります。